九州大学大学院 医学研究院 形態機能病理学

DEPARTMENT OF ANATOMIC PATHOLOGY, PATHOLOGCAL SCIENCES, GRADUATE SCHOOL OF MEDICAL SCIENCES, KYUSHU UNIVERSITY

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胃や大腸に発生する腫瘍性病変や炎症性病変についての日々の診断および研究

消化管グループ

2015年11月30日公開 2015年11月30日更新

消化管グループでは、八尾隆史先生(現、順天堂大学人体病理病態学教授)の指導の もと、主に胃や大腸に発生する腫瘍性病変や炎症性病変について、日々の診断および研究を行っています。

最近の臨床診断技術の向上により、胃や大腸の悪性腫瘍は早期 発見・早期治療されるようになりました。しかし、未だ消化器癌による死亡率は、男女ともに上位を占めており、その発癌・浸潤因子などはまだ完全には解明されていません。

胃癌では、Helicobacter pylori の発見により、その発癌機序に一筋の光明がさしたか に思われましたが、未だ発癌との関連性は判明しておらず、大腸癌では、内視鏡技術の 進歩により、微小な癌が発見され、また、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患からの発癌 など、従来のadenoma-carcinoma sequence に則らない発癌経路が複数考えられ始めました。私たちは日々、生検組織や切除組織の診断を通して、臨床治療への還元を目指しながら、これらまだ完全には解明されていない発癌機序や浸潤因子について、人体病理学的知見から研究を行っています。

最近の研究課題から:腸上皮化生を背景としない胃癌

胃癌は、従来から慢性表層性胃炎から萎縮性胃炎、腸上皮化生を経て発癌すると考えられ、組織学的にも、癌の周囲に腸上皮化生をみる頻度が高いと言われてきました。しかし、近年、30歳以下の若年者胃癌を含めて、必ずしも低分化型腺癌や印環細胞癌の中で、癌の周囲に腸上皮化生が見られるわけではないことがわかってきました。 Helicobacter pylori 感染との関係も含めて、慢性胃炎と発癌について研究しています。

 

脚注:

  • 準備中

参考文献:

  • 準備中
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