宮本 拓海/令和4年入局(熊本大学医学部卒)【2024年インタビュー】
私は郷里にある熊本大学を卒業し、初期臨床研修を修了した後、当教室に入局しました。学部生時代、悪性腫瘍の治療の道に進みたいと考えていたため、病理医になるという選択肢は当初全くありませんでした。しかし、悪性腫瘍の診療に携わるのであれば、病理を一度は研修しておきたいと思い、クリニカルクラークシップで病理診断科を選択しました。そこでHE標本で見る組織の美しさと、確定診断という決定的な仕事をする病理医の存在に感銘を受け、病理医の道を意識するようになりました。初期臨床研修を経ても、学部生時代に見つけた病理医の道を忘れられず、九州大学形態機能病理学分野の門を叩きました。
現在、病理3年目の専攻医ですが、1年目は大学病院で過ごしました。大学病院では、学年が近い先輩方や同期が近くにいるため、質問や相談をとてもしやすい環境の中、一から丁寧に教えていただきました。九州大学病院には、common diseaseから希少疾患まで幅広く症例が集まることから、病理診断を通して外科病理学の全体像を掴むことができた1年間でした。また、大学病院には様々なキャリアを持つ先輩方がいらっしゃるので、自身のキャリアプランを考えるとともに、将来の目標を大きく広げることもできました。とても楽しい1年目でした。 2年目以降は、当教室の関連病院で研修をしています。とにかく診断、診断の毎日であり、顕微鏡と教科書を行き来しながら、病理診断に没頭する充実した日々を送っています。同じ組織型であっても、経験を積むごと に見える組織像が拡がっていくのを実感しますし、これまで全く辿りつけなかった難しい症例の診断にも少しずつ近づいていることが、今一番のモチベーションになっています。 また現在大学院生として診断業務後や週末などには泌尿器腫瘍に関する研究を行っています。病理医はベッドフリー、時間外の呼び出しはほとんどないので、他科と比較して研究しやすい環境にありますし、当教室では専攻医1年目からでも大学院生として研究することができます。
病理診断において、百聞は一見に如かず、診断力は経験症例数と受けた教育の質からなると私は思います。そして、最高の環境が当教室にはあります。当教室は大学病院だけでなく、豊富な診断件数を有する関連病院が多数ありますし、長年多くの大学院生を受け入れてきたことから、先輩後輩が一緒に顕微鏡を覗き、伝える文化が当教室には根付いています。
また、九大病理の先生方は皆さん非常に穏やかでありながら、病理医としてのプライドと熱い思いを持っている方ばかりです。出身大学も様々であり、チャンスは平等です。九州大学以外の大学出身である私にとっても大変居心地の良い、賑やかな教室です。
病理医は、組織像から確定診断を導くSpecialistであり、全身の組織像を見るGeneralistです。さらに、病理診断で培った組織を見る力をベースに研究を行うScientistでもあります。学ばなければいけないことは多いですが、これから何十年も医師として勤めることを踏まえると、病理医はその年月をかける価値のある道だと私は思います。
病理医に興味のある方や病理医についてもっと知りたい方は、ぜひ気軽に見学に来てください!