九州大学大学院 医学研究院 形態機能病理学

DEPARTMENT OF ANATOMIC PATHOLOGY, PATHOLOGCAL SCIENCES, GRADUATE SCHOOL OF MEDICAL SCIENCES, KYUSHU UNIVERSITY

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よくあるご質問Freaquency asked Questions

病理医に関する一般的な質問

他の診療科から病理への転向は可能ですか?

臨床科からの転向は可能です。病理医の中には他の臨床科から病理診断科に転向した人が沢山おり、それぞれに臨床の知識を活かして専門性の高い病理診断業務を行っています。また、病理の業務の様々な場面で臨床の先生方とのやり取りが必要となりますが、そんなときに敷居がなく、より円滑にコミュニケーションが取れるという強みもあります。臨床の先生方もぜひ当医局へお越しください!(笑)

医学生時代に病理実習が全くわからなかったのですが、病理医になれますか?

学生時代に学ぶ病理学はとっつきにくい分野であることは否めません。病理医も皆が病理に興味を持ち勉強していたわけではありません。でも、何かのきっかけから疾患のことを調べたり、他の先生に教えてもらったりしながら標本を見ていくうちに、色んなことがわかるようになり、気がつけば病理医に必要な知識が備わっています。興味さえあれば、難しいことは何もありません。

頭が良くないと病理になれないのですか?

学生時代の成績は、病理診断や研究のスキルとはあまり関係ありません。これはどのような仕事でも同じと思いますが、病理も一緒です。興味を持って熱心に仕事に取り組む人を、当医局は応援しています。

病理に入局することに決めているのですが、初期研修医の科の選択はどうしたらいいでしょうか?

初期研修医の時に得た経験は一生忘れられないものになります。病理を長く回って人よりも早い段階から病理のスキルを磨くのも大事だと思いますが、臨床科を回ったからといって無駄にはなりません。貴重な時期なのですから、一生懸命考えて大切な時期を大事な経験に換えて下さい。

病理診断科は臨床科と比べて給料が安いと聞きますが…。

現在、病理医は全国的にとても不足しています。つまり、引く手数多の状態です。ですから、臨床と比較して給与が低いということはありません。もし違いがあるとしたら、臨床医が急患対応や当直をしている分は差が生じているかもしれません。代わりに夜間呼ばれることはなく、休日も基本的に業務はありませんので、どちらを選ぶのか、というだけの話ではないでしょうか。

研究に興味があるのですが、病理の研究をしながらでも、家族を養うことはできますか?

病理学の良いところは、診断業務をしつつ研究に従事できることです。
日々の診断での気付きが研究における発見に直結することが多々あります。また、研究成果を日々の診断に応用することも可能です。

基礎医学分野は、学位取得後の就職先や給与など心配だと思うかもしれませんが、当教室では病理診断の研鑽をしてもらいつつ、研究に従事していただくことが可能ですので、心配いりません。

病理には開業がありますか?

診療標榜科としての病理診断科が厚生労働省によって認められていますので、開業することも可能です。都道府県によって制度が異なり、開業にあたっては診療所という形をとらなければいけないのですが、実際に病理診断科として開業している病理医は増えてきています。

当直はありますか?

施設によって異なりますが、臨床医が行っているいわゆる「当直」というものはありません。病理医が求められるのは休日夜間の解剖が主で、緊急でどうしても必要な場合のみ術中迅速診断を依頼されることもあります。それ以外では時間外に業務を求められることはありません。

病理医として喜びを感じるときはどんなときですか?

自分が行った病理診断が患者さんの治療に直結したときに、やりがいを感じます。また、大変珍しい症例や難しい症例を診断まで導くことが出来た時、それは病理医以外の誰にも出来ないことですから、大変達成感を感じます。これらは病理医に限らず、医師全てに通じることかもしれません。

出産や育児の際にはどのようなサポートが受けられますか?

病理診断業務は当直や緊急の呼び出しがなく、業務に滞りなければ定時に帰ることができるので、子育てや家庭との両立は比較的しやすい科と思われます。様々な事情で対応が難しい場合は、当医局が支援いたしますので、心配要りません。

人工知能(AI)技術の発展によって、病理診断の仕事がなくなることはないですか?

心配いりません。

AI が得意とするのは画像の判別です。病理医は病理画像の判別だけでなく、組織像の背景にある患者の臨床的素因を考慮しつつ診断を行い、未知の病気については新たな概念の確立と病態の解釈をしています。これは将来にわたりAI が代替できない仕事と考えます。

一方で、AI の進歩には目覚ましいものがあり、様々な分野での導入が進んでいます。AIの得意とする分野を病理分野に取り入れ活用、応用していくことが今後の病理医には求められると思います。